豆知識

アルツハイマー型認知症

こんにちは!世田谷区成城周辺にてご自宅や施設に訪問して鍼灸・マッサージ・リハビリをやっています「バイタリ訪問鍼灸マッサージ院」です。
今回は「アルツハイマー型認知症」についてのお話をさせていただきます!

◆認知症とは?(総論)

脳は、人間の活動をほとんどコントロールしている司令塔です。それがうまく働かなければ、精神活動も身体活動もスムーズに運ばなくなります。
「認知症」とは色々な原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりしたためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態のことを指します。

◆認知症の種類

  1. アルツハイマー型認知症
  2. レビー小体型認知症
  3. 脳血管性認知症
  4. 前頭側頭型認知症
  5. 若年性認知症
  6. アルコール性認知症
  7. 正常圧水頭症
  8. まだら認知症

このうち約70%はアルツハイマー型認知症が原因で、約20%は脳血管型認知症によるものとされています。今回は最も多いアルツハイマー型認知症について詳しく見ていきます。

《アルツハイマー型認知症》

アルツハイマー型認知症とは、脳の中にアミロイドβという蛋白質が溜まり、正常な脳の神経細胞を壊して脳を萎縮させる病気です。
脳の萎縮は徐々に進行します。短期記憶を司る海馬にも起こると、体験したこと自体を忘れてしまう記憶障害が起こります。記憶障害が起こると、新しいことを覚えられなくなります。
また、見当識障害と言われる年月日や時間、季節などの感覚が薄れていきます。
さらに進むと、今自分がどこにいるのか、人物が分からなくなります。
その他、理解力や判断力が低下していきます。男性よりも女性に多く見られます。また脳血管性の認知症などの患者数が横ばいであるのに対して、増加の傾向があるとの報告があります。

◆特殊なたんぱく質による神経細胞の破壊が原因

アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβやタウと呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まり、神経細胞が壊れて死んでしまい減っていく為に、認知機能に障害が起こると言われています。また徐々に脳全体も委縮していき身体の機能も失われていきます。

◆主な症状

《記憶障害》

アルツハイマー型認知症の代表的な症状がもの忘れです。
誰でも忘れる事はありますが、忘れている事やヒントを与えられると「そうだ、忘れていた」と思い出せます。しかしアルツハイマー型認知症の方は、体験そのものを記憶できていないため、思い出す事が出来ません。
例えば、「会う約束をしていたとしても、約束をしたこと自体を忘れてしまい、そんな約束をした覚えがない」「病院の受診日を忘れてしまう」となってしまうところが一般的なもの忘れと違うところです。

《判断能力の低下》

アルツハイマー型認知症になると判断力も低下します。例えば料理をする際、調味料をどれくらい入れたら良いかや、どんな食材を使うかなどの判断が出来なくなります。そのため、家族が認知症に気づくタイミングのひとつに「味付けが変わった(濃すぎる・薄すぎる)」、「調理に時間がかかり、手際が悪くなった」などの変化がみられます。さらに、症状が進行すると、手順がわからなくなって料理すること自体が出来なくなります。
掃除をする際、捨てる物がわからない、片付け方が分からなくなる為、部屋が散らかりゴミだらけになる事もあります。臭いにも鈍感になる為、ゴミが増えても気になりません。

《見当識障害》

最初に起こるのは、今日の日付がわからなくなり、時間の感覚が分からなくなります。
例えば、昼夜や季節に合わせた服装ができません。
次に、自分がいる場所がわからなくなり、買い物先などの良く行く場所で迷子になったり、家の中でもトイレの位置がわからない、またトイレの前に立ってもドアがわからなくなり、失禁してしまう場合も出てきます。
そして人の判別ができなくなります。家族を別人と間違えたり「どなた?」と聞く場合もあります。

《その他の行動・心理症状(BPSD)》

大事な物が無くなった、盗られたと家族を責めたりする「物盗られ妄想」や、外へ出てウロウロする「徘徊」、お風呂に入らないなどの「介護拒否」などがよく見られるようになります。
また家族の顔がわからなくなったり、鏡に映った自分の顔がわからず「怖い顔をした人がこっちを見ている」とそれに対して怒ったり、介護を拒否する事も出てきます。

◆アルツハイマー型認知症の方への対応

《話題を繰り返す事に怒らない》

アルツハイマー型認知症の方の場合、同じことを何度も繰り返し聞いたり話したりします。
同じことを繰り返し聞かれると「さっき言ったでしょう」などと対応してしまいがちですが本人は忘れてしまっている為、聞いていないというだけです。
また同じ話を繰り返す場合も「同じ話ばかりしている」と言われると、本人は嫌な事を言われたと不快に思ったり怒られたと感じます。
この時、この不快や怒られたという感覚だけが残りやすく、認知症初期のうつ傾向に繋がる場合もあります。

《カレンダーやメモなどを利用する》

約束など大事な予定がある場合は、本人がよくわかる場所に大きく書いて貼り出したり、カレンダーを使って、確認出来るようにしましょう。
家にあるのに忘れて同じ物を買ってしまう場合も、本人が良く見る場所、例えば冷蔵庫のドアなどに、あるものを書いて貼り出したり、買い物する時は必要なものだけをメモに書くようにしましょう。
ただ物と名前が一致しなくなっていれば、貼り出してもメモもわからず買ってしまいますので、買い物は1人ではなく訪問介護を利用して、介護ヘルパーに付き添いで行うようにしましょう。

《連絡先を常備し、周りに協力を求める》

一度でも外出で迷いそうになったら、もしもの場合に備えて名前や連絡先を服に付けたり、小型のGPSをポケットに入れておくなど対策をとりましょう。
また徘徊が始まり家の外に出たがる時は、出来るなら一緒に近所を一周して帰ってくるなどしてみましょう。
勝手に出て行かないよう、鍵は手の届かない場所につけるなどし、可能ならば近所の人や民生委員などに徘徊があるという事を伝えて協力してもらいましょう。

《否定はせずに話を合わせる》

物盗られ妄想や幻視などの訴えが起きている時は興奮している場合があります。
否定すると、余計興奮に繋がり、わかってもらえない事に腹を立てるだけになりますので、話しを合わせてみましょう。
物盗られ妄想なら一緒に探しながら、話題を変えてみたり、一息入れてからもう一度探しましょうと、場所を変えてみると興奮が治まる場合があります。

◆予防・改善策

《早期発見と早期治療が大切》

現時点では、アルツハイマー型認知症の完治は出来ないとされています。
でもいろいろ薬が開発されていますので、早期発見、早期治療を始めた方が症状の進行が緩やかになります。
最近何かおかしいと異変に気付いたら、受診しましょう。
治療までの流れとして、まずは、かかりつけ医に相談します。「何となくもの忘れが増えた」「認知症かもしれない」など日々の様子を伝えましょう。
また、現在アルツハイマー型認知症を完治させる有効な治療法はありませんが、症状を改善させる薬はいくつか存在します。
現在日本では4種類の薬が販売されていますが、それぞれ作用機序や副作用が異なります。また抗精神薬にも周辺症状を改善させる報告もあります。

《予防習慣を心がける》

アルツハイマー型になる原因ははっきり解明出来ていませんが、生活習慣を見直すことで、予防につながるとされています。
高血糖状態や喫煙、飲酒、運動不足、高血圧などは発症リスクを高めると言われています。
認知症以外の生活習慣病予防にも繋がるので健康的な習慣が望ましいです。
また青魚は認知症発症リスクを下げると言われていますので積極的に食べましょう。

《睡眠不足を避ける》

睡眠不足気味の人は、十分に睡眠がとれている人より5倍もアルツハイマー型認知症になりやすいというデータがあります。
脳は寝ている時に、アミロイドベータなどの老廃物を取り除いています。
しかし睡眠不足になると、老廃物が除去出来ず蓄積されるようです。

《楽しくリハビリをする》

リハビリを行うと、脳が活性化し症状の改善に繋がると言われています。
簡単な本を声を出して読んでみたり、音楽を聴いたり、一緒に歌うのも良いです。
家族と昔話をよくしましょう。
昔のことは比較的覚えている場合が多いため、脳が刺激されます。
また手指を使う折り紙やちぎり絵やお手玉など、昔遊んだ遊びも兼ねて楽しくリハビリが行えるようにしましょう。

◆有酸素運動

認知症の予防法としてよく挙げられるのが、有酸素運動です。
1日30分の運動を週3回以上行うことが良いとされています。
有酸素運動をすることで、脳由来神経栄養因子が出て新しい神経や血管が生まれることがわかっており、認知症の予防につながると期待されています。
ただ、単純にひとつの運動を行うのではなく、複数の作業やトレーニングを組み合わせたデュアルタスク(2種類の作業を同時に行うこと)の方が、認知症予防効果は高まります。
例えば、国立長寿医療研究センターが考案したのが「コグニサイズ」という運動です。
「認知」を意味する「コグニクション」と「運動」を意味する「エクササイズ」をかけ合わせた造語です。
具体的には「ステップ運動をしながら、ステップが3の倍数のときだけ拍手をする」を行うなどを行います。
このように、複数の作業を同時に行う「デュアルタスク」が、認知症予防につながる刺激を脳に与えるのです。

◆知的活動、脳トレ

知的活動は物事を考えることが多いので、脳の機能の多くをつかう必要があり、認知症の予防にも繋がるとされています。
また、手指を使う知的活動は脳によい刺激をもたらしますし、同時に複数のことを考える脳トレやゲームは、複数の脳の部位を同時に使うことができますので、実際に非常に有効な予防法です。
好きなことを楽しく行うことも、脳の機能の向上にはとても大切です。
好きでもないことを無理に行うよりも、好きなことを楽しく続ける方が、脳のパフォーマンスに良い影響をもらたします。
認知症予防だけでなく、生活の質の向上にもつながるでしょう。

◆バイタリでの取り組み

《鍼灸治療について》

これまでの研究で、人間の脳の中は、血流が悪くなることで、脳の神経細胞が減少・機能低下し、脳の細胞が影響を受けることが分かっています。
高齢者やアルツハイマー型の認知症患者では、記憶などの高次機能を司る部位で脳血流の低下がみられます。
頚・肩・頭部の鍼灸を中心に、全身治療を行うことで、血流を促進し脳の神経細胞を活性化し、認知症の進行を遅らせて快適な療養生活につなげていきます。

《訪問で行うこと》

訪問では、全身のマッサージを手先、足先まで行い全身のリンパの流れや血流を改善させ、必要に応じて上記に上げたような鍼灸治療も行い脳の血流を促進させます。
また、関節可動域訓練や筋力トレーニング、ストレッチなどの運動療法を行い身体機能の改善や生活の質の向上を図ります。
コミュニケーションも大切で、施術のことはもちろん患者様の好きなことやその日の出来事など色々な話をしながら楽しく気分の良い状態を作ることで脳神経細胞の活性化させ認知機能の低下の予防を行います。

『脳梗塞』『脳出血の後遺症』『骨折後の後遺症』『パーキンソン病』『脊髄損傷』などで歩行困難・通院困難の方は是非一度「バイタリ訪問鍼灸マッサージ院」の施術をご体験ください!麻痺・神経痛・筋力低下・足のむくみ・認知症等で通院出来ずお困りの方もお気軽にご相談ください!

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