豆知識

多系統萎縮症

こんにちは!世田谷区成城周辺にてご自宅や施設に訪問して鍼灸・マッサージ・リハビリをやっています「バイタリ訪問鍼灸マッサージ院」です。
今回は「多系統萎縮症」についてのお話をさせていただきます!

■多系統萎縮症とは?

多系統萎縮症(MSA)は、脳や脊髄の複数の神経系統が少しずつ壊れていく「神経変性疾患」の一つです。つまり、神経細胞が死んでしまうことで、体の色々な機能に問題が起こります。

「多系統」という名前の通り、運動をつかさどる神経系統だけでなく、血圧調節や排尿などの内臓の働きをコントロールする自律神経系も影響を受けるため、さまざまな症状が混ざり合うのが特徴です。

■原因は?

脳や脊髄の神経細胞が変性(壊れること)することで、神経伝達がうまく行われなくなり、その結果として様々な症状が現れます。神経細胞が壊れる原因については、まだ完全にわかっていませんが、環境的な要因や生活習慣も影響しているのかもしれません。

■2つのタイプ

<1. MSA-P(パーキンソン型)>

パーキンソン病に似た症状が現れます。例えば、手の震え、動きが遅くなる、筋肉が硬直するなどの症状です。これらはパーキンソン病と似ているため、最初に誤診されることもあります。

<2. MSA-C(小脳型)>

小脳という、体のバランスを取る部分が影響を受けるため、歩き方が不安定になったり、手や足の動きがうまくいかなくなったりします。体がふらつく、つまずきやすくなるなど、日常生活に支障をきたすことがあります。

■主な症状は?

多くの神経系が影響されるため、症状は多様で進行性です。主な症状は以下の通りです。

<1. 運動に関わる症状>

  • 筋肉の硬さ(固縮)
  • 動きが遅くなる(無動)
  • 手足の震え(振戦)
  • 歩行時のふらつきや転倒
  • 姿勢の異常(前かがみや猫背)

<2. バランスや協調運動の障害>

  • 小脳機能障害により、手足の動きがぎこちなくなる
  • 文字を書くのが難しくなる
  • 飲み込みにくくなったり、話しにくくなることも

<3. 自律神経障害>

  • 立ち上がった時の血圧低下(起立性低血圧)でめまいや失神
  • 排尿障害(頻尿や尿が出にくい)
  • 便秘
  • 発汗異常(汗が出すぎたり、出なかったり)
  • 性機能障害

<4. その他>

  • 睡眠障害(レム睡眠行動異常など)
  • 呼吸障害(進行すると夜間無呼吸など)

■家庭でできるリハビリ方法

病状や進行度によって異なりますが、安全性を第一にしながら、次のようなリハビリが有効です。

<1. 呼吸リハビリ>

多系統萎縮症で起こりやすい呼吸筋の衰えや肺機能の低下を防ぎ、酸素を体に取り込みやすくするとともに、誤嚥性肺炎の予防や息苦しさの軽減にもつながる大切なケアです。

(1) 腹式呼吸

ゆっくりと鼻から息を吸い、お腹を膨らませ、口からゆっくり吐く

(2) 口すぼめ呼吸

口をすぼめて細く長く息を吐く

<2. バランストレーニング>

多系統萎縮症で起こりやすいふらつきや筋力低下を防ぎ、姿勢や歩行の安定を保つことで転倒リスクを減らし、日常生活を安心して続けるために役立ちます。

(1)つかまり立ちスクワット

椅子や手すりにつかまって膝を軽く曲げ伸ばし

(2)片足立ち(安全な場所で)

椅子や手すりにつかまって片足で立つ

■早めに対応しましょう!

多系統萎縮症は進行が早い病気であるため、病気の進行に応じた医療・リハビリ・生活環境の工夫を早めに整え、転倒予防や福祉制度の活用など日常生活の安全と安心を意識した支援体制を持つことが大切です。

バイタリでの取り組み

当院では「多系統萎縮症による運動障害や自律神経症状の緩和を目指す頭皮鍼治療」を取り入れた施術を行い、脳血流の促進と神経機能のサポートを行っています。鍼治療に加え、無理のないリハビリや全身のストレッチ・筋力トレーニングを組み合わせることで、筋肉のこわばりやふらつき、動作のぎこちなさの軽減を目指し、血流や神経伝達の改善を通じて、日常生活の動作維持をサポートします。多系統萎縮症は進行性の難病で、運動や姿勢の維持が困難になることが多いため、早期からのアプローチが重要です。ご本人の状態に合わせて無理なく継続できるケアを心がけています!

『脳梗塞』『脳出血の後遺症』『骨折後の後遺症』『パーキンソン病』『脊髄損傷』などで歩行困難・通院困難の方は是非一度「バイタリ訪問鍼灸マッサージ院」の施術をご体験ください!麻痺・神経痛・筋力低下・足のむくみ・認知症等で通院出来ずお困りの方もお気軽にご相談ください!

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